女性のヘルスケア

理解とサポートの重要性に

これからの日本は、超高齢社会を迎えると同時にどの国よりも最も高い高齢化率を示し、世界からは「長寿国」として期待され、日本がどのような対応・対策を講じていくのか注目を浴びています。 とは言え、高齢者が増えることが課題なのではなく、「健康上の問題で日常生活の制限がされることなく生活できるか」、いわゆる【健康寿命】が重要な課題であり、かつ「幸せを感じていられる期間」とする【幸福寿命】も、重要視されるべき優先課題ではないでしょうか。 みなさまもご存じのとおり、女性の平均寿命(広島市内2019年86.8歳)は年々延伸されていますが、実は健康寿命との差(広島市内2019年72.1歳)は14年であり、全国平均の12年を上回っています。健康・幸福と感じていない期間が14年間もあるということ。同じ広島市内に住む女性としても驚きが隠しきれません。 その14年間の要因となる病気には、実は女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏が影響し、かつ関与していること(精神・神経系症状、高コレステロール血症、骨量減少症、関節痛など)が明らかになっています。さらには、多様化した女性のライフスタイルによって、女性特有の疾患が増えていることも大きな健康課題のひとつです。 女性のヘルスケアには女性ホルモンが大きく関与していること。 これは女性自身のみならず、周囲の理解を得ることはとても重要です。 その周囲の意識を高める第一歩は、最も身近である家族の理解です。女性ホルモンであるエストロゲンの変化は、月経がはじまり閉経を迎える以降まで、心身に影響するゆらぎとして緩やかに生じます。 母と娘だけでなく、家族でオープンに語り合うことで相互的に理解し、お互いを想い合えるきっかけとなり、セルフケアからヘルスケアへ繋がることが期待できると考えます。 女性に特化したヘルスケアは、女性ホルモンの変化に応じた緩やかなサポートと継続したサポートが大前提です。 だからこそ、健康寿命と幸福寿命に向けたサポートにおいては、周囲の理解や社会的支援は絶対に必須です。 デリケートな部分ではありますが、まずは「辛くない?」「辛いときだからこそ話そう」という、そんな想いを言葉にしてみませんか。 Community Health Care ichijiku 村岡智恵